《MUMEI》

セイルはジェルマを
静かに見詰めた。

…やはり堕天使か

溜め息を1つ吐きキ
ッチンへと向かい紅
茶を淹れて戻って来
た。


『ジェルマ、これで
も飲んで落ち着いて
話をしよう』


『…ありがとう、セ
イル』

素直に紅茶のカップ
を受け取り、口を付
ける。


暫く後…カチャン!
カップは床に落ちた

椅子から崩れ落ちそ
うになるジェルマを
支えるセイル。


『悪いな…ジェルマ
少し寝ててくれ。』


ジェルマがさっき飲
んだ紅茶は睡眠薬入
りだった。


…弟の病気を治すに
はお金が必要なんだ


『お前を役人に渡し
て賞金を貰う、悪く
思うなよ、俺は…弟
を助けたいんだ!』


ジェルマをベッドに
寝かせて、外へと出
て行った。

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