《MUMEI》 “俺達に出来て、相手には出来ないこと” 何やろう? 救護隊に連れられて、一端ベンチへ戻る。 そこで鎮痛用のスプレーをかけてもらっている間中、 ずっと考えていた。 先輩は、 “冷静になれ” と言った。 冷静になれば、見えて来るものがあるんやろうか? 視線をコートへと戻すと、 ゲームは既に再開されていた。 その中にいる先輩を探す。 先輩はマーク軍を掻い潜り、 丁度パスを受けた所だった。 え? 幾つもの疑問符が、 俺の頭の中を飛び交う。 あのマーク軍を突破した!? 瞬きを何度も繰り返すが、 映る光景は先程と変わらない。 俺が必死になって突破しようと試みたマーク軍を……。 しかも身長差がかなりある、 ディフェンスの奴等まで難なく突破している。 なんで……。 ゲームが始まった直後は、 あんなにも苦戦していたのに。 前へ |次へ |
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