《MUMEI》
ひとひら
「な……なあ」
結局奢ってしまったエムのシンボルマークなファーストフード店のポテトを口に含みつつ極力自然体で話を切り出してみた。
「何?」
七生は全部食べ終わり次は俺のポテトに侵略してきやがる。
有り難みを知りやがれ
「その、付き合い始めってなにするのかなとか。」
うーわー恥ずっ!
言わなきゃ良かった。
「何も。」
「はああ?」
コイツに聞いたのが馬鹿だった!
「あ、一緒にいたかな。
俺、基本早紀にぞっこんだから。」
それは見てりゃ分かる。
「間とかどーすんの!」
「んな気遣い必要か?
ちゅーでもなんでもしてろよ。俺は近くにいるだけで幸せだし。」
「……せ、先輩。」
眩しい。
恋愛のスキルは乙矢(引く手数多過ぎて殆ど相手にしてなかった)より高そうだし。七生先輩、スゲー尊敬するっす。
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