《MUMEI》
1206号室の住人2
「行かない方がいいと思いますよ」


お前もか、和彦


一番年下なのに、一番冷静な口調で和彦も他の二人に同意した


そして、さりげなく俺に駆け寄ってきた皐月を自分の方に引き寄せた


…バカップルめ


「つーか、何で敬語?」


今までタメ口だった癖に


「鈴木先輩の前では基本敬語なんです。クセだから、気にしないで下さい」

「…何で?」


虎之介先輩、俺にはタメ口許可してくれたし


そんなに礼儀とか、煩くないだろ?


「安西、あまりにも口数少ない上に、口調荒いから、一緒の寮になってから、つい厳しくしちゃったんだ」

「あぁ、なるほど」

「そんな鈴木先輩も、1206号室のヤツの口調は直せなかったんだ…ですよね」


という事は、1206号室の住人は口が悪いんだな


「…途中で気持ち悪くなったからな」

「「あぁ」」


気持ち悪いって、外見か?中身か?


「詳しく教えてくれよ!」


わけわかんねーよ!


「悪い。とにかく1206号室には…」


ピンポーン!


ピンポンピンポンピンポンピンポン


ピンポーン!


虎之介先輩の説明は、しつこく鳴り続けるチャイムに遮られた

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