《MUMEI》 . 彼が見つめているのは、 わたしの爪。それに施されている、ネイルアート。 クリアベースに、ブルーのホログラムのグラデーション。そのアクセントになっている、透明なラインストーン。 彼は、わたしのネイルを見つめたまま、 譫言のように、言った。 「あの、イルミネーションみたいだ…」 −−−それは、 わたしたちが出会った、 あの、駅前の、 神秘的な、光のアート…。 彼の言葉に、また目頭が熱くなり、 ふぅっと涙が込み上げる。 わたしは年甲斐もなく、 彼の胸の中で、子供のように、 ただ、泣きじゃくった……………。 ****** 前へ |次へ |
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