《MUMEI》
1206号室の住人4
「どしたのータイガー」

「な、何でも無いデスよ。だから、気にしないで下サイ」


虎之介先輩…キャラ変わってる…


改めて松嶋を見てみる


松嶋の身長は、俺や虎之介先輩よりほんの少しだけ高いが、和彦ほど高くはなく、逞しくもない


どちらかと言えば、細い方だと思う


それに、顔立ちはどちらかと言えば美形だが、優しげで、今も笑顔を絶やしていない


そんな松嶋に、俺が唖然としてしまったのは、松嶋のバカッぽい口調と一方的なマシンガントークのせいもあるが


一番は


真っ青な髪


おそらくカラコンだろうが、金の右目と赤の左目


数えきれないほどついている両耳のピアス


そして、はだけた胸元から、チラチラ見える何かのタトゥー


そんな、派手な外見と、学年一位の成績の持ち主という事実だった


「そんなに見つめちゃいやーん」


俺の視線に気付いた松嶋が、俺にウインクしてきた


…キモイ


声には出さなかったが、俺の松嶋に対する嫌悪感は隠せてはいなかったと思う


その証拠に、虎之介先輩が少し焦っていた

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