《MUMEI》
いざ!祭だ!!
あたしは、6限目が終わってもまだ、むくれていた。


「どーしたの?家庭科の時間からずっとむくれちゃって。」


流石、絢南。
元バレー部だけあって、観察力が優れてる。


「聞いてよー、5限目のときに…」


あたしは5限目に起きた事件(あたしにとっては事件なんです!)について話した。


「ほーぅ…。成る程。」


絢南は、つぶやいた。


「好きな人に怖がられるなんて…ショックすぎる。」

「確かにね…」


でも…と絢南は続けた。

「最初の印象が悪ければ、それ以上印象が悪くなることないじゃん?
むしろ、ギャップがよくなるかもよ?」


と、絢南は笑った。


「それに、鈴音は来月の6月にある文化祭の実行委員をやってるんでしょ?
仕事を頑張っているところを見せればいいのよ。」

絢南はニコリと、いたずらっぽく笑うと、あたしの額をこずいた。

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