《MUMEI》 バラの香りとオンナの身体. −−−暗い、ベッドルームで。 俺は裸のまま仰向けになり、天井を見上げて、寝転んでいた。 部屋中には、むせ返るほど、濃厚なバラの香りが立ち込めている…。 それは、『JOY』。 ジャン・パトゥというブランドの香水であることを、以前、どこかで聞いた。 ぼんやりとしていた耳に 遠くから、微かにシャワーの音が流れ込んでくる。 激しい雨音に似た、その音に耳を澄ませながら、 俺はゆっくり寝返りを打った。 ベッドルームの奥にある扉。 そこからそのシャワーの音と、淡い光が暗闇の中、滲み出るように漏れていた。 −−−すると。 「……タケル?」 その扉の向こう側から、 俺を呼ぶ、女の声が、聞こえた。 俺は瞬き、なに?と尋ね返すと、 女は軽やかに、笑った。 そうして、言うのだ。 「こっちに、いらっしゃい…一緒にシャワー、浴びましょうよ」 甘い、甘い声。 成熟した、女の色気を思わせるような、その魅惑的な響きに、 俺は、また、我慢出来なくなった。 彼女の白く、豊満な肢体を思い浮かべただけで、 身体の中心から、 どんどん、熱くなってくる。 ついさっきまで、このベッドで、ケモノのように激しく、彼女の身体を貪ったばかりだというのに…。 . 次へ |
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