《MUMEI》 『嫌っ、悪魔!ここ から出てって!』 部屋の入口に震えな がら立っている少女 リーナ。 ケインは、返り血を 浴びた自分を眺めて ため息を付いた。 そして、眠るジェル マを抱き上げ部屋の 入口へと歩いた。 『こ、来ないで!』 叫ぶリーナの横を声 を掛けて通り過ぎた 『怖がらせて悪かっ たな、お嬢ちゃん。 天使様は、連れてい くよ。ありがとう』 『……』 部屋を出て行った後 リーナは、セイルの 元へ走った。 『お兄ちゃん!大丈 夫?』 『うっ…リーナ?俺 は…痛っ…』 腕を押さえて呻いた 『お兄ちゃん、悪魔 が…天使様を連れて 行っちゃったよ…』 『え?』 痛む身体を起こして ベッドを見る。 そこにはジェルマの 姿は無く、代わりに 布製の袋が置いてあ った。 『なーに?これ』 リーナが中を開ける と沢山のお金が入っ ていた。 それはケインが置い て行った物だった。 前へ |次へ |
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