《MUMEI》

掃除はゴミの分別も含めたら四日かかった。
床が出るとこんなに広かったなんて知らなかった……

二郎は実家にちょくちょく電話していた、マメだな……帰ってきてから一日に三回は電話しているような。

「お袋さん元気?」


「うわああああああ」

別に気配を消している訳ではなかったのに、派手なリアクションだ。


「なに。」

二郎は腰を抜かしたようで手を貸してやる。


「びっくりしたな。もう。」

それは俺の台詞だ。


「こそこそ電話してたろ、あっやしーな。」


「……靴下しまってくる。」

……はぐらかされた。

え、冗談だったんだけど?あれ?
……え?

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