《MUMEI》 ◇出逢いは選択授業で◆新学期がはじまって早や二ヶ月 ― クラス替えで、知ってるコは三分の一になったけど、友達のトモダチ、って感じで、クラスのコ、大体分かるようになった。 今日はこれから楽しい選択授業 (^.^)♪ 美術、書道、音楽のどれか選択することになってて、私は迷わず美術。 だって…選択授業は二年生まであるから、期間は二年間。 1年ごとに変えられるけど、道具類もったいないし。 字がうまくないし、毛筆は特にニガテやから書道はとりたくない (._.) かといって、音楽は好きやし、道具は要らんけど…歌のテストの前は絶対カゼひくし (;_;) 昔から絵描いたり、何かつくったりするんは好きやったから、やっぱ迷わず美術に決定♪ 何で好きなんやろ…名前が「紫乃」やし、色入ってるから?とか自分で無理矢理こじつけてみたりして (^-^ゞ 梅雨どきやのに、今日は珍しく天気がいい。 清々しいくらいに晴れ♪ 先生が美術室の窓開けてくれた。 風が気持ちい〜い (^o^) 今日は先週に続いて油絵。 静物画で、カゴに入ったフルーツを描く。 先週下絵描いたとこに、絵の具をのせていく。 私・啓子・深雪ちゃん・かほりんの4人で、先週とおんなじ位置でテーブル囲んで、早速やりはじめた。 私らは友達のトモダチつながりで8人グループ、その中でも特にこの4人が仲良くなった。 「アタシ、絵はニガテやわ(--;)」 「そうなん?」 啓子のキャンバスを覗く。 「(゜゜;)\(--;)何言うてんの。上手いやん。」 「いやいや、どっちかっちゅうと、あれに細工したいわ。」 啓子がカゴの中のフルーツを指した。 「あれに顔描いたり、彫ったりしたい。」 「何かつくるほうが好きなんや。」 「うん。そのほうが創作意欲湧くわぁ(*^^*)」 そんなような話をしながら、絵の具を筆にちょっとずつのせて、キャンバスに色を置く。 「うわぁ、紫乃ちゃんて色使い上手いなぁ(*^^*)」 今度は深雪ちゃんが私のキャンバスを覗いた。 「紫乃は前から色彩センス抜群やもん。」 中学からの腐れ縁、かほりんが冷やかす。 でも正直、色使いには自信ある。 「せやろ?任して〜♪( ̄▽ ̄)ノ″」 楽しい時間はあっちゅう間。 あと10分で終わるから片づけてって、先生がみんなに声かけた。 イヤやなぁ…せっかくノってきたのに。 「早よ片づけな、水道混むで。」 次へ |
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