《MUMEI》

『何処へ行くのだ?
狐…いや、煌よ?』


…ああ、やっぱりバ
レてましたか?


『魔王様…』


『何の遊びだ?煌は
変幻の魔法も使えた
のか?』


『いえ、シオンの薬
のせいで…』

事情を説明すると魔
王様は、愉快そうに
私を抱き上げ、膝に
座らせました。


『ま、魔王様?』


『ふん、いつも澄ま
した顔のお前よりも
随分と可愛らしいな
ぁ、煌よ、ずっとこ
のままでいるか?』


『魔王様、お戯れは
止めて下さい。』


ニヤリと笑い、背中
や尻尾の付け根を掌
で撫でていく…

顎の下を擽られ、不
覚にも、うっとりと
してしまう…


『フフッ、気持ち良
いのか?煌よ…尻尾
が揺れているぞ!』


…え、本当に尻尾が
左右に揺れてます!

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