《MUMEI》

手元の電源から、二郎を支配するコードが繋がっている。
白い双丘に伸びた無機質な線と硝子細工のように透ける白い肌が二郎自身を作り物なのかと錯覚させた。



「……なんか……これ、……つめたい、へん……」

まだ口はきけるようだ。


「そう?」

それは、二郎が熱っぽいからかもしれない。
親指が冷酷に動く。

振動に連鎖して二郎が攀れてゆく。




『……ア あふ、 ひぃ……イ、』

まだ一番軽いのに、頭を振りながらベッドに埋込み内股を何度も何度も擦っている。
爪先から、削れてしまうくらいだ。
後ろ姿だけで、こんなに艶かしく見えるものなのか、それとも俺を誘っているのか……。

涙を浮かべた瞳が枕の間から見える。
俺は二郎と目が合っていても手から電源が離せなかった。


「初ローターにしては反応が良いじゃないか……一人で使ってた?」

我慢しきれないで震わせるとこなんて、映像化したらとんでもない値打ちものになるんじゃないか?


『ふ…………っ、』

言われたことがお気に召さないらしく、手の甲を噛んで声を出さないようにしている。


「狡い……、二郎が全部俺の要求を飲んでくれたら、そっちの言うことになんでも応えてあげるって取引だよな?」

口から離してやると唾液が糸を引いた。


『あっ……』

二郎が帰ってきて初めて、ちゃんと顔を見た。
髪を切ったのか幼い印象だ、学ランを着ると余計に昔を思い出す。
可愛い……、
カクリカクリ、腰骨が振動している。

あと、少し……
少しだけ二郎を虐めたい。





親指が前進した。

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