《MUMEI》

「お前もしかして処女?」



「悪かったね」



「俺、初めてでいいの?」



「まだヤダよ…怖い」



「………。」



「あれ?」



「…スー…スー」



「寝てるの?」



「…スー…スー」



お酒そうとう入ってたからかな?でもサイテーじゃん

好きな人前に、しかもこっちは初なのに…

ってやるつもりなんてなかったけど…

リュウは疲れてるのかな?



「姫歌…」



寝言でこう言われたとき、私は罪悪感に

絶えられなくなった

サイテーなのは私の方か…

リュウがこんなに不安になっちゃって

心配ばっかかけさせちゃって…

リュウはしばらくすると起きた

まだ少し酔ってるみたい

まだ夕方だけど

でもかなり時間がたっていた

こんなに長い時間、

しかもリュウと一緒にいるのに、

ユウのこと考えてたんだ…私

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