《MUMEI》
遺言書
サルタンと予め待ち
合わせしていた場所
へと向かうケイン。

腕に、抱き抱えたジ
ェルマは、未だ目覚
めず…。


人目を避け、足早に
目的地に向かうケイ
ンだったが、背後か
らの視線に足を止め
た。


『やっと、見つけま
したよ。』

背後の視線の主が、
声を出した。


『誰だ?』

ケインは、ゆっくり
と振り返った。

そこに、立っていた
のは…ラント修道師
だった。


『お前は、修道院の
修道師?何で、ここ
に?』

訝しげに、ラント修
道師を見るケイン。


『相変わらず、貴方
は、血で穢れていま
すね、ケイン?
その、汚い手で清廉
なジェルマを抱くの
ですか?』


『何の用だ?』


『まあ、そんなに睨
まないで下さい。悪
い話を、持って来た
訳ではありませんか
ら。』

にこやかに、微笑む
ラント修道師。

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