《MUMEI》

『で、悪くない話っ
てのは?』


『ええ、貴方とジェ
ルマの疑いが晴れま
した。大修道師長様
毒殺の件です。』


『ほう、何で?』


『大修道師長様の遺
書が見付かったので
す、手違いで、紛れ
ていたので発見が遅
れていました。』


『それで、自殺だと
判明し、あなた方の
濡れ衣が晴れたと言
う訳ですよ。』


『そりゃ、どーも。
わざわざ、その事を
知らせる為だけに、
捜してくれたのか?
アンタ…』


『フッ、本題は此方
です。』

そう言って、懐から
手紙を取り出した。


『コレは?』


『先程言った、大修
道師長様の遺言書で
す。』


『じーさんの?』


『ええ、まだ役人に
届け出ていません』

ラント修道師がニコ
リと微笑む。

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