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《MUMEI》 持ってきていたらしいレジャーシートを広げ ソコヘと腰を降ろしながらショコラを手招いて 買った弁当と作ったケーキでささやかなランチタイムだ 「出来合いで悪いけど、どーぞ」 「ありがと」 弁当を受け取り、食べ始めるショコラ だが箸を使い慣れていないのか、四苦八苦しながら食べ進める その様を、暫く笑いながら眺めていた篠原だったが 流石に見兼ねたらしく 念の為、とコンビニで貰っていたフォークスプーンをショコラへ 「コレ……」 「こっちのが食いやすい。使っとけ」 手渡してやれば素直に頷いて ソレを受け取るとまた食べ始めた 仕草の一つ一つが妙に可愛くて 篠原は徐にショコラの頭を掻いて乱す 「恭弥？」 何事かと篠原を見やるショコラへ だが篠原は何を言って返す事もせず、暫く無言で笑うばかりで そして脚元に散らばる様々な彩りの落ち葉を両の手で掬うとそれを徐に上へと放りあげていた 当然その跡振ってくる葉の鮮やかさに、ショコラの眼が輝き始める 可愛らしい満面の笑みが目の前 篠原の表情も自然に緩んでいく 何となくだがそれを見られてしまうのが照れくさく 「……帰り、夕飯の材料買って帰るか」 ソレを隠すかの様に何でもない会話を始めた そこにある甘い香りと甘い雰囲気 その初めての感覚に浸りながら 篠原も照れた様な笑みを返していたのだった…… 前へ |次へ |
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