《MUMEI》
賑やかな夕食6
そういえば、こいつの名前…


「何だよ。まだ疑ってるのかよ」

「鳳凰寺って、理事長の身内なのか?」

「あぁ。理事長と俺の父さんがいとこなんだ」

「そっか」


誠治さんといとこって事は


お袋ともいとこだもんな


…何か、微妙な身内だけど、ま、いっか


「どうした? 高橋」

「あ、いや。疑ってすまなかった」

「? あぁ」


一年一番


鳳凰寺修治(しゅうじ)と他の皆が首を傾げて微妙な空気になった


「…じゃあ、そろそろお開きにするか」


口を開いたのは、虎之介先輩だった


「あ、うん!皆今日はありがとな!いろいろ迷惑かけるかもしれないけどよろしくな!」


俺は慌てて立ち上がり、改めて挨拶して、頭を下げた


皆、口々に『おー』とか『うん』とか言って頷いてくれた


いいヤツ等だな、皆!


基本的に集団は苦手な俺でも、コイツ等とはうまく付き合っていけそうな気がした


とりあえず…


一年の顔と名前だけは、ちゃんと覚えとこう!


後は、『先輩』って呼べば何とかなるし!


そして、賑やかな夕食を終え、俺達はそれぞれの部屋に戻った

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