《MUMEI》
クーの朝
クーは基本二度寝をしてしまい、寝坊するタイプだった。


なので、以前は目覚ましが二つあった。


しかし、今は一つしかない。


何故なら、二つ目の目覚ましの役割を、アルゴンが果たしていたから。


しかし、今朝


「…」


一つ目の目覚ましを止めた時点で、クーの目は完全に目覚めた。


何故なら


目の前に、昨日拾った美少女


エアーの顔があったからだ。


「な、…んで?」


クーと向かい合うように眠るエアーに、クーは驚くしかなかった。


昨日、確かにリビングに寝かせたはずなのに…


ちゃんと、説明したよな?


首を傾げながらも、クーはエアーを起こさぬように、ゆっくりと起き上がろうとした。


「おい、クー、起きろ!朝だぞ…って、何してやがるテメー等!!」





「…」

「あ…」


クーの気遣いは、アルゴンによって無効になり


エアーは、その大きな緑色の目を丸くし、慌てて起き上がった。


相変わらず、エアーは無言だった。

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