|
《MUMEI》 アンパンマンの違和感=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* ―――…週が明けた月曜の午後。 新宿にある本社ビルは、食中毒事故直後の慌ただしさが嘘のように、いつもの落ち着きを取り戻していた。 アンパンマン常務による裏工作が効をそうしたのか、メディアの間ではアズキの産地偽装は、Ｔ物産による単独の犯行という見方が強まっていた。 そんなメディアの後押しもあってか、週明けのマーケットも大きく反発し、株価は事故前の８割方まで回復していた。 取引を中断していた顧客からのリアクションも、概ね好意的だった。 間もなく工場の生産や、流通部門も随時復旧してゆくだろう。 ジャム食品株式会社は、食中毒事故直後から続いていた、危機的状況を脱しつつあった。 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |