《MUMEI》
早朝の森
「着いたぞー誠!」

「そーだなー」


眠いよ、俺は


「どーした!?お前が来たかった森だぞ!」

「いや、言ってねーから」


昨日の、聖との会話を思い出しても…


『森行ったか?』

『行ってない』

『森はいいぞー』

『へー』

『今度行こうな!』

『あー』


どこにもそんな会話無いよな!?


なのに何で俺、早朝起こされるわけ!?


しかもこいつ…


十二階の窓のベランダ、飛んで移動して、俺の部屋の窓叩いたし!


マジ怖かったから!


ついでに女ってバレそうで焦ったから!


…実際は悲しいほどバレなかったけど


「そっか? ま、いっか!」

「よくない!」


一応洋服には着替えたけど、まだ食堂開いてないから何も食べて無いし


空腹で寮から森まで全力疾走だったし!


「ごめんなー、あのフロアで森に興味あるヤツいなかったから、嬉しくて、つい!」

「…」


くっ!


爽やか美形の笑顔は眩しいぜ!


「誠〜?」

「…もういい」

「ありがと!」

「わ!」


だ、抱きつくな!


「「何してんの?」」

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