《MUMEI》

「うん、うん、そうだね。」
相槌ばかりで会話が推測できない。


「うん、うん、わかってるよ。I love you.」

なんだと……?
俺以外の奴に愛の言葉を贈るなんて!


「てめ、餓鬼だからって調子に乗ってんじゃねぇ!」

つい、頭にきて受話器を奪って怒鳴り付けてしまう。


「アンタこそわきまえなよ大人気ない、アンタみたいなのがジローの知り合いだなんて信じられないな。」

最近の子供は口が達者だこと!


「知り合いじゃねー、
俺は二郎に最も愛されてる男だ!」

これだけは譲れない。


「喧嘩しないで……」

二郎が体を引きずりながら寄ってきた。


「二郎は黙って!」


「ちょっと、ジローのこと虐めたでしょ?」

この場合、今の怒声に言ったのだろうが現状を見透かされたようだった。

「ジローをこんな乱暴な奴のとこに置けない、早く返して。」

何様のつもりなんだろうか。二郎をまるで恋人かなんかのように……!


「二郎は絶対に渡さない、俺と暮らすんだからな!
親の顔が見てみたいな……っ!」

俺が叫んだ瞬間、
二郎は立ち上がってコートを羽織って出ていってしまった。
あっという間の出来事だ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫