《MUMEI》

赤高に時間はない。


すぐにアップへと取り掛かる。


ミーティングを考えるとアップを行うことができる時間は10分足らず。


赤高は限られた時間の中でひたすら下から2、1を行う。


「ナイスキーッ!!」


クロは自軍の選手たちの指示を出しながら、


相手チーム、


海南クラブの調子を確かめていた。






















「黒田くん。」






















そんなクロに、


西条高校監督、


星野が近づく。























「なんでしょ?」


「…勝算は?」


「さぁ?
良くて5分5分ってとこじゃないすかね。」


「5分5分?
随分自信があるのね。」


「そんなことないすけど。」


「海南高校相手に5分5分なんて言えるなんて、
そうとうの自信に思えるんだけど?」


「ん〜...


自信とは違うかな。


ただ、


あいつらの伸びと今日の調子を考えれば行けなくもないかなって。」


「…そういうのを自信て言うのよ。」


「あはは。
それもそうすね。」


「…強いわよ。」


「知ってます。」


「…まぁ、
楽しみに見せてもらうわ。」


「お好きなよ〜に。」

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