《MUMEI》

アップをこなす両チーム。


下から2、1。


椎名がシュートを打った時だった。


すぽッ…


「あ…」


人差し指に巻かれたテーピングが、


綺麗に指の形をしたまますっぽ抜けた。


「やべ。」


「時間ないぞ。
急いで巻いてこい。」


「おっす。」


椎名は1人アップを抜け、


テーピングを巻き直しにベンチへ戻る。


「佑香テーピング取って。」


「はい。」


佑香はテーピングと両面テープを椎名に渡し、


椎名は急いで巻き直す。


そんな椎名の元に、


1人の男が近づいていた。


「よう。」


古賀だ。


「え?
いや誰?」


「おい!!
古賀だよ古賀!!」


「え!?
お前久司か!?」


「そ〜だよ!!」


「マジ?
…そんなバカみたいな頭してっからわかんなかったわ。」


「あ〜?
どんなセンスしてんだおめ〜わよ?」


「つか久司お前…
海南行ったんだっけ?」


「あぁ。
ようやくレギュラーだ。」


「へぇ…」


「ぶっ潰してやっから。」


「ふん…」


古賀はアップに戻り、


椎名は再びテーピングを巻き始める。


(久司がね…。)

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