《MUMEI》

ーー嫌っ、悪魔ーー

不意に、少女の怯え
た姿が、ケインの脳
裏に浮かんだ。

その少女の姿がジェ
ルマと重なる…。

怯えるジェルマに、
伸ばすその手から
血が滴り落ちて…
ジェルマの身体を
赤く汚す。


『…っ!!』


…クスクス、動揺してる
様ですね、ケイン。
そう、早く気付きな
さい、あなたとジェ
ルマは、住む世界が
違うのですから…。


『さて、ケイン、こ
うして、私とあなた
が話し合ってもラチ
があきません。
ジェルマ自身に決め
させましょうか?』


『ジェルマに?』


『ええ、このまま、
あなたと居るか、私
の所に戻るか?良い
考えでしょう?』

何故か、自信満々な
ラント修道師を、黙
って眺めるケイン。

…コイツ、何を企ん
でいるんだ?

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