《MUMEI》

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若菜は騒ぎ立てる彼女達に向かって、顔をしかめた。


「うるさいなー!今、矢代君と大事な話してるの!!邪魔しないでよー!」


若菜の台詞に、今度は男達が騒ぎ出す。


「え〜!?若菜ちゃん、矢代目当てなの?」


「つーか、『大事な話』って、ナニ!?」


「良いね〜!モテ男は!!」


ギャハハ!!と品のない声で笑う男連中に、

俺は心底呆れた。



……つーか、

なんで、たいして仲良いわけでもないヤツらに、

馴れ馴れしく、『矢代』とか、呼び捨てられてんの?



素朴なギモンに悩み始めた俺をよそに、みんなは合コンで定番の、『王様ゲーム』を始めた。

俺はこのテのゲームが、大嫌いだった。

こと酒の席では、酔っ払ったヤツらが調子に乗って、要求がエスカレートしていくからだ。


俺の予想通り、最初は、簡単なモノマネとか、コーラ一気飲みとかだったのに、


それが、いつの間にか、

初体験の暴露だとか、何人斬ったとの自慢話だとか、

どんどん、嫌な展開になっていった。


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