《MUMEI》 アンパンマンは、バタ子さんが閑職に追いやられるに至った経緯を回想する…。 (確か……彼女は、ジャムおじさんと別れる時、法外な手切れ金を要求したんだよな…。 ジャムおじさんは、不埒な関係を清算する意味で、それに応じた…。) アンパンマンは記憶の片隅にある、主従者同士のドロドロとした愛憎劇を思い起こした。 (しかしバタ子さんは、金を受け取っておきながら、別れた後もジャムおじさんへの当て付けのように会社に居残り続けていた…。) そんな振る舞いをジャムおじさんが快く思う筈もない。 捨てた女からの無言の抵抗を疎ましく思ったジャムおじさんは、彼女を目障りにならない部署へ配置転換するよう、アンパンマン達に命じたのだ…。 その部署こそ、今現在、彼女が身を置く資料管理室だった。 前へ |次へ |
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