《MUMEI》
語らない死人達
夜を彩る街の光が目先を照らす。実質、地面を見る事を許さず、電灯の意味を成していない。あくまで視覚的に愉しませる為のものである。
汚いものは見せないというのがこの世界のルールだ。

見えないどこかの世界の底で手足がもがく。

   「ん………!」

  「……あ、いぃっ」









毛布を巻いて男は制服を着込む相手の脚に夢中でしゃぶりついていた。

「まだ欲しいの?」

 「足りないよ……白縫」

「切れたんじゃない?」

  「まだ大丈夫だよ」

「知ってる?
可哀相な男の子。実は会ったことあるんだ。」

  「妬くなあ……。
アレは他人に見せるような代物じゃない。

あいつは条件を充たしたとか自慢してたな
幸福を招くとか言って結局死をも招いた。」

「条件……?」
白縫は脚にむしゃぶりつく男で確かに手掛かりなる尻尾捕まえた。

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