《MUMEI》

試合開始から1分40秒が過ぎた。


再びボールは海南。


セットプレーからのスタート。






















(よしよし…


個人的にそういうプレーは好きだぞ。


僕のプレーから学習したね日高。


こういうプレーは得点以上にダメージがでかい。


そして次のプレーへの布石になる。


攻めやすくなったぞぃ。)






















「1本行くぞ!!」


センターラインを越え、


ボールを回す海南。


センターから右45、


右45から右サイドへとパスが回る。


ボールに意識が行く赤高ディフェンス。


「関谷ぁぁッ!!」


キレ気味クロの声を聞き、


ハッとしたように後ろを振り替える関谷。


が…


時既に遅し。


関谷の裏をかき、


状況をダブルポストに…


した…


そう…


一ノ瀬未來が…


(やっ…べ…)


「ポストダブルッ!!
空けんな中!!」


当然警戒する赤高ディフェンス。


が、


この男には関係ない。


この時、


空は、


「は…?」










(ポスト…スカイ…)










彼の物だった…











2対1。

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