《MUMEI》
懇願
冬休みに入って、直ぐ

菜月 「悠希ぃ…どうしようォ…」

悠希 「なつ姉、どうしたの?」

菜月 「あのね……」

………

悠希 「…し、知らねーょ……俺、ムリだからな!」

菜月 「いまさら、後に、引けないのよォ」

悠希 「ムリ、ムリ、ムリ! 」

………

この前、
俺が、偽彼氏やってから

佐久間って奴は、
大人しくなったらしい…

諦めついたのかな…

それは、良い事なんだけど……

あの時居た

なつ姉の先輩の

マリナさんって人が

「彼氏と一緒に、遊びに来なさいって」 言い出したんだって…

マリナさん…短大の先輩で、会社でも、先輩なんだって……

悠希 「俺、嫌だからな!」
「長い時間なんて、ムリ」

「絶対、バレる…」

菜月 「悠希ぃ…お願い!」

悠希 「正直に、言いなよ……その、マリナって、先輩にだけは…」

菜月 「い、言えないのよぅ…」

悠希 「…なんで?…」

菜月 「つい……嘘…ついちゃったからぁ…」

悠希 「……嘘?…」

菜月 「…」

………
なつ姉…

俺が、なつ姉に、ベタ惚れで…

つい、身体、許しちゃったら、

自分も、いつの間にか
好きになっちゃってたって……

テレビドラマみたいな、嘘、ついたんだってさ…

悠希 「バカじゃねーの?」
「何で、そんな、簡単な嘘つくんだよ!」

菜月 「…違うのォ」
「深い、訳があるのォ」

悠希 「何?…訳って…」

菜月 「悠希には、関係無い事よ…」

悠希 「そっか、良かった、俺、関係無くて」

菜月 「あっォ」
「ちょっとぉォ悠希ォ」

悠希 「俺、関係ないもんねぇ」

逃げ出し、風呂に入ったんだ

………

風呂、上がりにも、なつ姉がしつこく頼んで来た…

悠希 「…なつ姉…ォ」

菜月 「ホントォお願いォ」

母が、何の、騒ぎ?
と、首を傾げてた…

………

翌日…条件つきで、OKしたんだ…

家には、お邪魔しない

極力、俺は、話さない…

2時間で、帰る…

…それ以上は、ムリだろうし……

なつ姉、それで、良いからって…

……

変な、見栄、張るからだょ……

………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫