《MUMEI》
大晦日
部屋に、引きこもりになってる俺…

母は、お節料理も、作り上げていて

父は、庭をいじってた

のんびりした、時間が、過ぎていく、わが家…

なつ姉は、友人と会うと、出掛けてる…

父の命令で、
父の車と、なつ姉の、車を洗う事に…

近所の人が、俺の顔を見て
「どうしたの」!と…

庭をいじってた父は

父 「弱いくせに、喧嘩して、負けてきたんですよ」

と、笑いながら、言う…

…。…まぁ、なつ姉が襲われたなんて、話せないから…

仕方ないけど…

…ムカツク……

夕方、2台の車とも、ワックスまで仕上げた俺…

悠希 「ふう…こんなもんだろう…」

我ながら、ピカピカになったと思う…

父 「ごくろうさん」
「来年、免許取ったら、俺の車、乗っていいぞ」

悠希 「い、嫌だよォ」
「初心者マークのベンツなんて、恥だよ…」

父 「菜月は、車、大事にしてるから、貸してくれないぞ…たぶん…」

腕を組、そう言った、親父…

……見栄張って、ベンツなんか乗ってねーで

国産にすりゃぁ、俺の車、買えるだろ!

言いたかった、台詞…

…けど…親父の口癖…

親の、金をあてにするな

学費だけ、出してやる…

なんだよなぁ…

で、バイト、禁止だなんて……

理不尽だ……

………

風呂上がりに

洗面所で、顔の傷に、薬を塗ってたとき

菜月 「ただいまぁ」

母 「お帰り、早いわね」

菜月 「うん、年末ぐらいは、家族で過ごしたいからね」

なつ姉と、母の会話が聞こえた

菜月 「悠希は?」

母 「お風呂じゃない?」

悠希 「…」

洗面所に、なつ姉が来た

菜月 「…痛む?」

悠希 「…大丈夫…」

菜月 「ガーゼ、貼ってあげる…」

俺の、顔に、ガーゼを貼る、なつ姉…

母の声がした

母 「菜月、アンタも、お風呂入っちゃいなさい」
「後、アンタだけよ」

菜月 「はーい」

ガーゼを貼り終えた、なつ姉…

悠希 「サンキュー…」

俺が洗面所を、出ようとした時だった

菜月 「待って、テープ…」

俺の、おでこのテープに触れた、なつ姉が

背伸びして

唇に、ちゅっ、って…

キス、して来たんだ…

…心臓、バクバク…

………

菜月 「私も、お風呂、入るから…」

悠希 「う、うんォ」

リビングに行くと

母 「悠希、まだ、顔、赤いわね…熱持ってるのかしら…」

悠希 「だ、大丈夫だよォ」

…なつ姉と、キスしたからだょ……

言えない…そんな事…

………

風呂上がりの、なつ姉と
親父が、酒を飲んでた…

俺は、テレビを見てたんだけど

父 「悠希も、一杯飲むか?」

悠希 「怪我した、未成年に、何言ってんのかな?」

父 「固いなぁ…悠希は…」
「つまらん奴だ…」

。…つまらんて、何…。

頭に来た、俺は

親父のビールを奪って
飲んでやったんだ

父 「おー、良い飲みっぷり…」

「お前、飲んでるだろ?…」
「…外では、飲むなよ!」

「未成年なんだからな!」

……進めといて、何だ、それ…。…

………

悠希 「…イタイ……」

酒飲んだら、傷が痛みだしたんだ…

菜月 「…お父さん、…」

父 「まぁ、…痛むだろうな…」

笑い、堪えながら、言った、くそ親父…。…

悠希 「…寝る…」
「お休み…。…」

母 「年越し蕎麦は?」

悠希 「いらねー」

母 「…。」

菜月 「後で、起こしてあげるからォ」

母が怒ってた…

食べ物、いらないって言うと、機嫌悪くなるんだ…

うちの母親は…

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