《MUMEI》 「バイク、新車やってん。とりあえず修理費の半分持ってもらおか。」 ひやっ (>_<) 来た! 「いくらくらい、ですか?」 「修理してから請求するから、連絡つく電話番号教えてくれる?」 「わかりました。」 私はバッグからメモとボールペンを出して、名前とケータイの番号を書き、彼に渡した。 彼は見るなりメモを突き返して、 「女の子が知らんオトコにカンタンにケータイ番号教えたらあかんて。家の電話番号書いて。」 え…? 故意やないけど、こっちが悪いし修理費も請求されてる身ですよ (・・;) そんな風に怒ってくれるって…なんか、いい人? 家の電話番号書いて、もう一回渡した。 「俺も連絡先書くわ。メモとペン貸して。」 私はメモとボールペンを彼に渡した。 アイスティの氷が溶けはじめて、薄く水の層ができていた。 ガムシロップを入れてかきまぜ、飲んだ。 渇いた喉に一気に水分がしみわたる。 ちょっと…落ち着いた。 目の前でボールペンを走らせる彼を、冷静に観察する。 私よりちょっと年上、大学生かな。 ヘルメットはフルフェイス、汗で髪の毛がペッタリしてるけど、フツーにしてたら結構イケメン? 綺麗に切り揃えた爪、でも指先は真っ黒やな。 暑いのに長袖て…なんで? (゜゜;) 「…何?めっちゃ視線刺さってるんすけど(--;)」 えっ!? 「はい、俺の連絡先。」 「はあ、どうも。」 ゲッ、でかっ!! ダイナミックな字やなぁ ( ̄▽ ̄;) 寺澤修市… 「寺澤さん、すみませんでしたm(__)m」 「いや、俺にも落ち度はあったし。気にせんとって(^-^)」 私らはお店を出た。 「送ってってあげたいけど、俺バイクは一人で乗る主義やから。」 「いえ、いいんです。そこまでメーワクかけられへんし(^-^;」 内心、早く離れたいんですけど (^-^; 修理が終わったら連絡をもらう約束をして、私たちは別れた。 家に帰るまでの間、私はお金をどうするか考えた。 やっぱ親に話すべき、かな…でもいくらくらいかかるんかわからへんし、そんなにかからんかったら自分で払いたいな。 …(^-^; ウチにも一人、ライダーがいるやないですか♪ やっぱ持つべきもんは、物知りな姉 (*^^*) 前へ |次へ |
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