《MUMEI》
ジョーカー
『そんなに暇でストレス溜まってるなら、夜の街で発散してこい。

警察の世話にはなるなよ』

『バレないようにうまくやりなさいね』

それが、中学一年の夏休み前日、両親に言われたセリフだった


当時、俺には悩みがあった


小学生の時には皆それほど意識は強くなかったのに


中学になった途端


学ランとセーラーになったせいか、急に周りが男女を意識し始めたのだ


その結果


今まで一緒に遊んでいた男友達は、微妙に距離をとるようになった


誘ってくれた女子のグループにも、俺は馴染めなかった


だって、トイレまで一緒とか、終わるまで待ってるとか、…正直、うざいし


好きな芸能人とかタイプとか、いねーし


そのうえ、楽しみにしていた部活動にも


女だからという理由で断られた


女だって野球もサッカーもする時代なのにさ!


まぁ、そんなわけで、俺はお袋の提案通りに変装


男装して


親父に言われた通り、夜の街へと出かけた


その頃、俺はまだジョーカーではなく、ただの不良少女?で


ダイヤのメンバーも、まだ夜の街に出没していなかった

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫