《MUMEI》

物音がして、目が覚めた…
悠希 「…ん…」

いつの間にか、寝てたんだ…俺……

窓の外は、暗くなってた……

車の音…

悠希 「な、なつ姉ォ」
「起きてォ」
「親父達、帰って来たよォ」
菜月 「…ん…ふぁ…」

背伸びした、なつ姉…

思わず、胸に、視線が言っちゃう

悠希 「なつ姉ォ」

菜月 「うん…起きるょ…」
玄関が開いた

俺、慌てて、1階に、下りて行ったんだォ

時間稼ぎォ

悠希 「お帰り」

母 「あら、居たの?」
「真っ暗よ…」

悠希 「寝てたからォ」

母 「菜月は?」

悠希 「寝てんじゃないかなぁ?…」

父 「土産、買って来たぞ」

悠希 「…また、魚ぁ…」

父 「文句あんなら食うな!」

親父、もう、酔ってるよ…
お袋が、運転して来たのかなぁ?

御山 「お邪魔しまぁす」

悠希 「御山さん…」

御山 「久し振りだね、悠希くん」

親父の会社の、従業員で、
なつ姉と、昔、付き合ってた、御山さんだった…

母 「御山くん、上がって」

「菜月も、居るみたいよ」

「悠希、菜月、呼んで来なさい」

………

偶然、バッタリ会って
親父達と飯食ったんだって…

お袋の、運転じゃぁ、不安だからって
御山さんが、運転して来たんだってさ…

酒なんか飲まなきゃいいのに…

……

なつ姉が、着替えてから、下りて来た

親父、御山さんに、酒を飲ましてる…

……

菜月 「あけまして、おめでとうございます」

御山 「あっ、おめでとうございます」
「本年も、よろしく、お願いします」

菜月 「…酒盛り?…」

御山 「すみません、元旦から、お邪魔しちゃってォ」

………

夕食を、一緒に食べたんだけど…

父 「菜月、御山くん、送ってやれ」

菜月 「…はい」

御山 「すみませんォ」
「駅までで、結構ですからォ」

父 「正月じゃ、電車も少ない…家まで送ってやりなさい」

母 「そうよ、」
「御山さん、すみませんねぇ」
「運転させたうえに」
「遅くまで、お引き止めして…」

御山 「いえォ」
「ひとり暮らしですから」

「かえって、こんな、贅沢な、お節料理、ご馳走になって」
「恐縮です」

母 「また、いらっしゃいね…」

なつ姉が、bB の鍵を持って来た

菜月 「悠希、アンタもつき合いなさい」

悠希 「はーぃ…」

母 「バカ、気を聞かせなさいよ…」

御山 「…」

菜月 「悠希、早く、支度して…」
「帰り、ひとりなんて、嫌よ…」

御山 「…タクシーで…」

菜月 「遠慮、しないで」
「父が、世話になったんですもの」

………

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫