《MUMEI》
始まり
菜月 「…父がね…」
「彼を、気に入ってるのよ…」

「私と、結婚させたいみたいね…」

「彼から聞いたの…」

「初めっから、父と、待ち合わせしてたんだって…」

悠希 「だろうね…」

菜月 「えっ?知ってたの?」

悠希 「まさかぁ…」
「ただ」
「あんな、しっかりした人が、元旦から、来ないよ……誘われたって」

「送って来たって、玄関で、帰るよ…」

菜月 「…評価、高いのね……」

悠希 「御山さん、悪い人じゃないよ…」

菜月 「…」

悠希 「けど…なつ姉とは、合わないな…」

菜月 「どうして、そう、思うの?…」

悠希 「なつ姉…一見、押しが強くて、しっかり者に、みられがちだけど…」

「…いいなりになる、男じゃダメだよ…」

「なつ姉を、引っ張れる、奴じゃなきゃ…」

「なつ姉…暴走、しちゃうよ…」

菜月 「…私の、評価は、低いのね…」

悠希 「一緒に、暮らしてるんだよ…」

「この前の、話しもそう…」
「中年との不倫だって」

「なつ姉…」

「都合良いからでしょ…」

「淋しかったし、けど、プライベートには立ち入られたくないって、言ってたろ…」

「向こうは…なつ姉の……身体目当てだろうけど…」

菜月 「……」

悠希 「もっと、悪い、言い方すれば…」

「佐久間だって…」

「…なつ姉が、ダメ男にしたかもしんない…」

菜月 「……」

悠希 「話し、聞いただけだから、わかないけど」

「なつ姉が、振り回して、アイツを、ダメにしちゃったようにも、聞こえたよ……」

「…まぁ…友達がなつ姉にちょっかい出して…」

「なつ姉を、責めるようじゃ…元から、ダメ男だけどね……」

菜月 「…悠希…」

悠希 「生意気言って、ごめんねォ…」

菜月 「悠希…」

菜月 「なォなつ姉ォ」

なつ姉が、俺に抱き着いてきて、泣いてた…

………

どうしたんだよォ

言い過ぎちゃったかなぁォ……

菜月 「悠希…キス、して……」

悠希 「えっォ」

菜月 「早くぅ…」

なつ姉が、唇を寄せてきた
なつ姉の、舌が、俺を求める……

菜月 「悠希……大好き…」

悠希 「なつ姉ォ…」

凄い、積極的な、キスだった…

………

菜月 「…そんなに…」

「私の事…理解してくれてるなんて……思わなかった…」

悠希 「…そう、感じただけで…あてづっぽうだよォ」

菜月 「ううん……」

悠希 「…好きだから…」
「見ちゃうし…考えちゃうのかも……」

菜月 「悠希…」

また、抱き着いて来た、なつ姉…

なつ姉の、髪を、やさしく撫でた…

………

菜月 「…凄い…落ち着く…悠希の胸…」

悠希 「…」

俺は、ドキドキが止まらなかったけど…

なつ姉に…気付かれてるよね…

心臓が…マラソンしてるの……

ドキドキが、まったく止まらないんだ…

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