《MUMEI》
陥落
優里は哀願に満ちた目で皆を見つめた。
「あたしをどうする気?」
「もちろんソフトマッサージするよ」
「わかった。じゃあ、胸は構わないけど、下は許して」
「なぜ?」
「そこだけは、彼氏でもない男性に触らせるわけには行かないわ」
一人が言った。
「じゃあ、多数決で決めよう」
「ふざけないで」
「優里チャンのあそこ洗いたい人、ハーイ。全員だ」
優里は胸の鼓動が高鳴る。このテクニシャンたちに意地悪されたら危ない。
「行くよ」
「あ、待って!」
優里の哀願も虚しく、男たちは再び全身ソフトマッサージ。胸と秘部への攻めは強烈だった。
(あ、嘘…どうしよう)
さすがの優里もポーカーフェイスはもう無理だ。気持ち良過ぎる。
「ん……」
歓喜の吐息が漏れそうになる。
(乱れてたまるか)
男たちの思うツボにはならない。優里は頑張った。
しかし十人がかりはきつい。二十本の手が巧みに全身のツボを攻め、特にいちばん敏感なところをいじめられているのだ。
男の考えることはわかっている。わざと敏感なところを攻めて、女が困り果てる姿を楽しみたいのだ。
(悪趣味な)
マッサージしながら聞いてくる。
「優里チャン。さっきからもじもじしてるけど、どうしたの?」
「別に」
心で反発しても体が快感に反応してしまう。
(そんな簡単に落とされてたまりますか)
優里は女の意地を見せたかった。気持ちいいからって悶えてしまったら、男たちの軍門に降ることになる。
「優里」
両耳に同時に囁きかける。
「君は本当にイイ女だよ。かわいいし、色っぽい」
「いい体してるし、肌もキレイだ。優里は最高の女だよ」
「とても魅力的だよ優里チャン。弾けちゃいな」
「気持ちいいんだろ。すべてを忘れて女の子になっちゃいな」
男の唇が両耳に触れる。催眠術にかかったように、優里は理性が揺らいだ。
そのまま両耳に同時キス。
「ちょっと、やめて」
両耳同時キスはもちろん初体験だ。1対1のプレイでは絶対不可能な技だ。
「ちょっと、これマッサージじゃないじゃん」
優里の言葉を無視して、今度は両方の胸に同時キス。
「嘘…やめて」
両耳両胸同時キスは反則だ。十人いたら何でもできる。
さらに二人がおなかを巧みにマッサージ。
「やめて」
さらに両脚を同時キス。膝からももから容赦ない。
(まずい。気持ちいい!)
トドメは優里のいちばん敏感なところにキスの嵐。
「ちょっと待って、それはやめて!」
彼らは面白がって全身性感マッサージで優里をいじめた。
「あああん!」
腰を浮かして歓喜の声を上げてしまった。
「やめて、やめて」
やめてくれそうもない。
(ダメだ、どうにもならない)
優里は慌てふためいた。
(ヤダ、耐えられない)
恋人でもない男に愛撫されて、昇天するわけには行かない。
耐えられないと判断したら、お願いするしかない。
「ちょっと待って、やめて、お願いだから」
しかし男たちは両耳にキスしながら囁く。
「優里はかわいいから屈服させてあげる」
「ふざけんな」
「そういう生意気言うと、本気で攻めちゃうよ」
秘部へのキスをやめ、女の弱点に本気のマッサージ。
「あああん!」
理性が飛んだ。
(ダメだ、ダメ…もう無理)
優里は観念して乱れた。
「あん、はう、はあ、あああん」
容赦ない。
「あああ、あああ、あっ……」
陥落してしまった。
優里は口を大きく開けて悶える姿を、男たちに晒してしまった。
「はあ、はあ、はあ…」
(気持ちいい。たまらない)

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