《MUMEI》

帰ったら、珍しくお姉ちゃんがいた。

「お姉ちゃん、今日は休みなん?」
「うん。先月ずっと休日出勤したから、振休たまってんねん。」
「ふうん…」

冷蔵庫からジュースを出し、コップに注ぎこむ。

「なあ、お姉ちゃん。」
「ん?」
「進路決めるとき、すぐ決まった?」
「そうやなあ…興味あることの一つやったし、進路決めるときにイチバンやりたいことやったからな。」
「Σ( ̄◇ ̄*)エェッ そんな決め方なん!?」
「え?あかん?」
「いや、そうやないけど…(--;)」

う…話聞いた相手が悪かったな…

「お姉ちゃんはえぇよなあ…」
「何がよ。」
「やりたいこと、バンバン叶えてるやん。仕事もやりたいことやし。」

クッキーをぽりぽり食べながら、手についたザラメをぱらぱら払い落とす。

「やりたいことやるんは楽しいし充実もするけど、やりたいことと仕事がイコールやと結構タイヘンやで。いろんなカベかってあるし。」

お姉ちゃんはカップのティパックを取り替え、お湯を注いだ。

「あんたは冒険せんと、フツーの道を行ったほうが向いてるんちゃう?まあ、大学行くんやったら、その間に何か見つかるかもしれんけど。」

フツーの道、ねぇ…
親は、お姉ちゃんと違ってやりたいこと見つかれへん私に、行きたい道がいつ見つかってもえぇように、勉強だけはさせてくれた。
だから、進学する学校にはそんなに困れへんけど…
あくまでもそれは学生としての勉強。
いずれは社会に出て働く。
その時役に立つ勉強をしたいのに…


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


結局、文系・進学コースで、英文専攻にすることにした。
どんな仕事をするとしても、英語は役に立ちそうやし。
今日は帰りに修ちゃんが迎えに来てくれる♪
バイト休みで、授業午前で終わりやから、遊びに行こうってメールが
(^-^)
帰る途中の公園で待ち合わせ。
そこに自転車置いて、デート。
今日はどこ行くんやろ
♪( ̄▽ ̄)

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