《MUMEI》
進路
なつ姉は

会社のテストがあるんだって

研修と実務を1年間やってから、配属が決まるんだって

社内資格と成績によって

勤務地が変わる事も、あるんだって…

なつ姉は、東京に、行く、つもりなんだ…

実家からだと、通勤しんどいから

一人で暮らす事になる

3月の始めに

なつ姉の、辞令が内定した
春から、なつ姉は、東京だ……

「後は、悠希、次第よ…」

なつ姉の、言葉だった…

知り合いが少ない、東京なら

なつ姉と、自由にデート出来るし

何より…俺の、目標だった、日本一の、大学に…

………けど…

正直……現役合格は…

………

父との、約束…

現役合格できなければ

黙ってエスカレーター式に、上の、大学に、行け…

母は、家業を継ぐのに、
最高峰の、学歴なんか、要らないって……

………

父には、悪いけど…
休みも不確かで、悪戦苦闘しながらの、
家業を継ごうとは、思わないんだ…

今は、それなりに、お金もあって…

けど…父が苦労してきたのを見て来てるし…

……

お役所仕事で、それなりの年収を望むなら…

……此処しか、ない!

人に言ったら、笑われる動機かもしれないけど…

お金も、時間も、欲しい

そう思うのは、

俺だけじゃないよね…


父は、落ちても、私立大学行ける身分だから、
身が入るわけない、と

母に、言ってたらしいんだ
……父は、知らないんだ

上の大学に、進むなら

合格発表の前に、
入学金を、払い込まなきゃいけない事を…

…俺は、母に、払わなくて、良いと…

伝えたんだ…

親父に、話したら、
家出すっかも、と、おどしちゃったんだ…

母を……

………

なつ姉と、東京で、暮らしたい…

それが、一番の理由に、なってるのも、事実だけどね……

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