《MUMEI》

なつ姉が、ひとり暮らしする部屋を探しに
東京に何度か出向いてると、電話で聞いた

俺…免許合宿中…

卒業単位は足りてるから

学校も、了承してくれてたんだ

俺が、現役合格すれば

3年ぶり、22人目の、現役合格者を出すらしい

今年は、8人、受けたんだって…

学校も、株が上がるんだろうなぁ

………

合格発表の日

免許合宿を終え、東京へ、向かったんだ

なつ姉と、待ち合わせをして、見に行く事になったんだ…

俺の、なつ姉との、生活を、左右する日

他の、受験生に、言ったら殴られるよね…

みんな、人生を、左右すると、考えてるんだから

俺だって、そうだよ…

けど…今の、俺は

なつ姉が、一番なんだ…

………

その、大事な日に…

悠希 「何、ナンパされてんだよ!」

菜月 「…しつこい奴だったなぁ…」
「悠希が来るの遅いからだよ…」

悠希 「15分前じゃんか…」

菜月 「1時間以上前に来ちゃったからォ」

悠希 「えっ?」

菜月 「だってォ緊張しちゃってぇォ」

悠希 「……行こう…」

なつ姉の、手を握って、歩き出した、俺…

菜月 「…うん」

1時間も、地下鉄の出口に立ってりゃ、ナンパも、されるか…

菜月 「髭…ワイルドだね」

悠希 「髭剃り、持ってくの、忘れたから…」


大学の門をくぐると

菜月 「……悠希」
「私、…コワイ…」

悠希 「…俺も…」

………

暫く、見に、行けなかったんだ……

はしゃいで帰る人…

うつむいて、帰る、人…

俺は、どっちなんだろう………


悠希 「…行こうか?」

菜月 「…うん…」

……

掲示板を見た……

俺の…受験番号が……


…有った……

……言葉が…出ない…

受かってた…

悠希 「なつ姉………有るよなぁ?……」

菜月 「うん………間違いないよ……有るよ…」

悠希 「…受かった……」

手足が震えた…


菜月 「…おめでとう…」
「…悠希」

悠希 「うん……」

なつ姉を見ると、泣いてた
悠希 「泣くなよ…」

菜月 「…悠希も、泣いてるじゃない…」

………

学校に、連絡すると

もう、知ってたみたい…

早いなぁ…

感動、無いじゃん…

家に電話したら…

学校から、連絡来てた後だった…

……現実は、ドラマと違うんだね……

………

なつ姉…会社、休んで来てくれたんだ…

まぁ…なつ姉と、感動、分かち合えたから

いいか

………

なつ姉…車で来てたんだ

高速道路を、走る bB

次第に、実感が湧いて来た
菜月 「ちょっとぉォ」
「悠希ォ」

なつ姉の、太股を、触ったんだ

菜月 「運転してるんだからォ」

悠希 「いいんだよね…」
「なつ姉を、抱いて…」

菜月 「…うん…」
「けど、急がないでォ」

悠希 「まだ、ダメなのォ」

菜月 「…日にちは、私に、任せてよ」

「…最高の、体験…させてあげる…」

ハンドルを握りながら

俺を見た、なつ姉の顔

少し、恥じらいながらも
、妖艶な、雰囲気に見えた
……大人の、色気、なのかなぁ…

ドキドキしたまま

なつ姉と、手を、繋いでたんだ…

走る、車の中で…

なつ姉の手……少し、汗ばんでた…

俺も、だけど…

……なつ姉と……

もうすぐ……ひとつになれるんだ……

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