《MUMEI》 . 千影が言ったことが事実であれば、 その汐見とかいうひとの息子である将門は、 代議士Jr.ということに………。 超☆セレブじゃん!! そう思い付いたわたしは、千影が手にしていた将門のメモを、返して!!と、引ったくるようにして奪った。 そして、微妙についてしまった折ジワを、両手を使い、丁寧に伸ばす。 大切そうにメモを扱うわたしを見て、 千影は、出た!!と声をあげて、あからさまにため息をついた。 「金の亡者が……」 小さく呟いた千影に、わたしは、うるさい!と怒鳴った。千影は肩をすくめて、それ以上はなにも言わなかった。 わたしは、メモを見つめる。 最初は、汚い字…と思っていたけど、 代議士Jr.が書いたとなれば、 不思議と可愛く見えてくる…。 …………何てったって、 お育ちが違いますもの!! そりゃ、ノーブルですって!! つーか、将門!! この超絶☆美少女に目をつけるなんて、 さすがはセレブ!!お目が高いわ!! 人知れずニヤけたわたしを見て、千影は、嫌な予感がする…と呟いた。 ◆◆◆◆◆◆ 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |