《MUMEI》

.


千影が言ったことが事実であれば、



その汐見とかいうひとの息子である将門は、



代議士Jr.ということに………。



超☆セレブじゃん!!



そう思い付いたわたしは、千影が手にしていた将門のメモを、返して!!と、引ったくるようにして奪った。

そして、微妙についてしまった折ジワを、両手を使い、丁寧に伸ばす。

大切そうにメモを扱うわたしを見て、

千影は、出た!!と声をあげて、あからさまにため息をついた。


「金の亡者が……」


小さく呟いた千影に、わたしは、うるさい!と怒鳴った。千影は肩をすくめて、それ以上はなにも言わなかった。


わたしは、メモを見つめる。


最初は、汚い字…と思っていたけど、

代議士Jr.が書いたとなれば、

不思議と可愛く見えてくる…。





…………何てったって、


お育ちが違いますもの!!


そりゃ、ノーブルですって!!


つーか、将門!!


この超絶☆美少女に目をつけるなんて、


さすがはセレブ!!お目が高いわ!!





人知れずニヤけたわたしを見て、千影は、嫌な予感がする…と呟いた。





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