《MUMEI》
愛想の良さ
「おかえり。始めましてだな、俺は内館七生。」

二郎に連れられて来たそいつは俺を完全に拒絶している。


「…………」

ひたすら無言で俺の差し出す手を見やしない。


「えーと、入ろうか。」

二郎の後ろにぴったり張り付いて引きずられるように玄関から入って来た。


「七生、紹介するね。
篠さんの子で、白戸律斗。今日から三人で暮らすんだね。荷物は律人の部屋に置こう、案内してあげる。」

二郎が何かと律斗に構ってやるお陰で律斗の睨み据えるのもあまり気にしないでいられた。
篠さんの子供のくせに全然雰囲気似てない……。

律斗は母親に似てるんだろうな。
小五のわりに、そんなに成長してないし。
声変わりもしてない、電話でも幼い印象だった。





「はは、
律斗ったら何……?」

律斗の部屋で二人の笑い声が聞こえた。
俺には一言も話さなかったくせに
なんだよ、この差。


「あっ、だめだめ、律斗ったら……!あっ……」

二郎なんかやばくないですか?
気のせいだと信じたい。


「いや、律斗ったら……。」

気のせい、気のせい……


「律斗……もう……あっ」

俺の馬鹿と頭を一回叩いてから突入。

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