《MUMEI》
人体実験
「どうして!何でこんな事するのっ!?」
加奈子は後ろに居る三人を振り返りながら叫ぶ。
すると有馬は笑い出した。
「フ‥フハハハハッ!どうして?どうしてだって!?自分の研究材料をどうしようと、私の勝手でしょう?」
「研究、材料?」
「そう、彼は私達の夢を叶えてくれる素晴らしい実験体なんだよ。」
有馬は檻の中にいるリョウを指差し、不敵な笑みを浮かべる。
研究材料…実験…
それって…
「つまり人体実験だよ。」
「人体実験って…そんなの許される筈がない!!」
「そう、だから揉み消したんだよ。なにもかも。」
「じゃあ…あなたがやったのね?あの女性を…」
「あぁ、それはこの子がやってくれたよ。」
有馬はそういうと、修二の肩をポンと叩いた。
「そんな…っ!嘘‥でしょ?」
シュウちゃんが殺人?
いや…信じたくない!!
困惑する表情を見せる加奈子。
しかし、そんな思いは修二の一言で掻き消された。
「本当だよ。」
そう言う修二の目が加奈子に冷たく突き刺さる。
まるで、その回りだけ時間が止まってしまったかの様に、加奈子は動く事が出来なくなった。
「あ、それともう一つ。」
修二はそんな加奈子を見ても何も感じない様な声で坦々と続けた。
「拳銃自殺した男いただろ?あれ、俺が促したんだよねぇ。」
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫