《MUMEI》 勢いよく相手の方へ駆け出し、 素早い動きでステップを踏む。 突然のことに相手は少々驚いたが、 すぐに体制を整えて次の動きを伺っている。 俺は今度は小さく、更に早くステップを踏んだ。 そして右へ大きく踏み込んだように見せかけて、 前へ飛び込みようにして左へ移動する。 フェイント。 相手はかなり困惑しているみたいだ。 俺はその隙を逃さず、 そのまま走り抜いた。 「っしゃあ!」 ついに相手を突破した! 嬉しさの余り、ついガッツポーズをとってしまった。 先輩に学んだこと。 それは体格の差を利用すること。 つまり、欠点を逆手に取るということだ。 外国人は良く言えば大胆、悪く言えば雑。 いくら日本人よりも体格差に部があっても、 それは逆に不利になる時がある。 ガードこそは良くても、スピードが無い。 更に動きが鈍い部分がある。 しかし日本人ならば背丈も小さいことから、 素早い動きが可能だ。 更に日本人はふくらはぎが発達しやすい傾向がある。 故に、ステップやドリブルなどといった、 細かい動きが得意なのだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |