《MUMEI》

菜月 「…こんなの…」
「初めて………」

息を切らせながら、
なつ姉が言った

悠希 「何か、飲む?」

菜月 「…うん…」

なつ姉を抱え起こした

……

俺は、冷蔵庫にあった
ポカリを持っていったんだ
なつ姉、ぐったり、してた
悠希 「はい」

キャップを開け、
なつ姉に渡したんだけど

菜月 「飲ませてょ…」

甘えたような仕種で、俺に

俺は、口移しで、なつ姉に飲ませた…

菜月 「もっと」

何度も、口移しで、ポカリをなつ姉に、飲ませたんだ
菜月 「ありがと」

照れながら、言った
なつ姉

菜月 「2回も、…逝っちゃうなんて…」

なつ姉が、身体を、動かしたとき

「何これォ」

買ったばかりのソファーに大きな、染みが…

菜月 「わ、私かなぁォ」

悠希 「わかんないけどォ」
「たぶんォ」

菜月 「……」

……

菜月 「いいよ、悠希」

悠希 「ん…でも、買ったばかりでしょ」

菜月 「何か、カバー賭けようよ」

悠希 「うん…」

ソファーを、拭く、俺に、なつ姉が言った

なつ姉が、立ち上がったとき

菜月 「あっォ」

悠希 「危ないォ」

転んだ、なつ姉を、抱き留めた

菜月 「あ、脚が、痙攣しちゃってるォ」

悠希 「大丈夫ォ」

菜月 「…悠希…今日が、初めてよね?」

悠希 「うん…」

菜月 「女、初めての男に、逝かされちゃうなんて…」

「正直、逝くと、思って、なかったし…」

「2回も…だ、なんて…」

悠希 「…なつ姉、逝きやすいんじゃないの?」

菜月 「2回逝った事なんて、何度も、ないわよ」

「遊びなれた、中年の人とだって、2回なんて、一度しか……」

「あっォ」

なつ姉に背中を向けた、俺…

菜月 「ごめんなさいォ」
「私ォ…」

悠希 「いいよ…」
「けど、俺、凹んでるからな!…しばらく…」

菜月 「悠希ぃォ」
「……」

………

いじけてる、俺を、後ろから、抱きしめてる、なつ姉
菜月 「デリカシーないね…私…」

悠希 「…そいつにも、中に、されたのかよ…」

菜月 「悠希ぃ…」

悠希 「嘘、無しで、答えろよな…」

菜月 「一度も、無いわよ…その人とは…」

悠希 「じゃぁ、誰だよ…」

菜月 「知りたい?…」

悠希 「…知ってたい…」


菜月 「初めての、人と」

「佐久間、かな…」

「後は、悠希だけよ」

悠希 「…」

菜月 「ついでに、言っとくね」

「男性経験は、6人」

「悠希で7人目よ」

「セックスした人(男)は」

悠希 「…」

菜月 「初めての人は、1度だけ…」
「勝手に、中に、出されたの…」

「佐久間は、何度か…」

「私が、いいよって言ったから…」

「不倫、相手とは、生もあるけど…必ず、直ぐ、ゴム、したわよ」

「何か、あったら、向こうも、困るでしょ…」

「私が、嘘ついたら、妊娠しちゃうわけだし…」

「…後、聞きたい事、何?」

悠希 「なつ姉…」

振り向いた俺に、なつ姉は
菜月 「私の、全てを知って」

「良い所も、悪い所も」

「何も、隠さないから…」

「全部を、抱きしめて」

悠希 「うん…」

菜月 「…エッチ…好きだよ、私…」

「けど…こんなに、感じた事…ないよ…」

「何でだろう…」

「テクとか、関係ないんだよ、きっと…」

「気持ちが、いっぱいあれば…」

「感じるんだよ…」

「…身体の、相性…」
「良いのかなぁ…」

なつ姉を抱きしめた

悠希 「嫉妬深くて、ごめん…」

菜月 「ううん…」

「うれしいよ…嫉妬されるの…」
「けど…凹まないでォ」

悠希 「…うんォ」

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