《MUMEI》

その後のカラオケも、ずーっとずーっと

ユウのことを考えていた。

これってダメだよね…

リュウに、失礼すぎる…

暗かった私に気を使ったのか

イオはトイレ行こ〜と、私を呼び出した



「なんかあったでしょ?」



鋭い指摘。私は図星なのを隠しきれなかった



「ユウに…会って」



「そっか、薄々感ずいてたんだ…ごめんね」



「うんん、私…どうすればいいのか…わかんなくて…」



声がかすれてうまくしゃべれない。肩で息をしてる。

なんでだろう?

視界がにじむよ…

そう、私は泣いてたんだ



「ずっと、我慢してたんだね…??」



「ずっと、ずっとね、リュウのことは好きだよ?

でもね、ユウのことのほうが、ずっともっと好きみたいなの」



「うん、そっか」



「卒業してからあきらめようと思ったよ、でも、できなかった…」



私はすべてをイオに話した

全部、全部、全部全部、いままでずっと我慢してきたことを

すべてイオに告白した

イオは、何も言わずに、ただ、ただうなずいてくれた

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