《MUMEI》

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義仲は首を傾げた。


「あれ、常世高校のヤツ?」


男は、ダークグレーの学生服に身を包んでいた。紛れも無く、常世高校の制服だ。

そして、彼の顔を見て、

わたしはたまげた。


柔らかそうな黒髪に、賢しげな光を宿す瞳。わりと調った顔立ち。実直そうな雰囲気…。


………あれは!!


「将門ッ!?」


わたしの声に、義仲は訝しそうに振り返った。

それから、

校門にいる、千影と、将門も。


将門は、わたしの姿に気づくと、満面の笑顔を向けてほほ笑んだ。


「こんにちは!」


朗らかに挨拶してくる彼に、わたしは駆け寄って行った。


「なにしてるの、こんなところで…」


不思議に思って尋ねると、将門は照れ臭そうに笑う。


「このまえ、テンパっちゃって、君の名前聞き忘れちゃったから、待ち伏せしてた」


それに重ねて、千影が言う。


「帰ろうとしたら、校門にいるもんだから、つい話し込んじゃってねー。会うの、久しぶりだったし」


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