《MUMEI》 不機嫌な理由. 将門は義仲の顔を見て、ハッと表情を引き締める。 「もしかして、片倉さんの…?」 そう呟いた将門に、 義仲は美しくほほ笑んだ。 「…璃子に、なんか用?」 優しい表情とは裏腹に、その声は凍てついていた。明らかにキレている。 義仲の出現に、将門は気まずそうな顔をして、えぇっと…と口ごもってしまう。 見兼ねたわたしと千影は、慌てた口調で答えた。 「昨日、うっかり璃子の名前を聞き忘れちゃったんだって!!」 「そうそう!!突然だったし!!で、今、改めて千影に紹介されて!」 「そうなの!このひと、わたしの知り合いでねー!!」 「こんな偶然、ホントにあるんだねー!!」 アハハ☆と虚しい笑い声を、ふたりであげる。 そんなわたしたちを、義仲はあっさり無視して、将門を見る。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |