《MUMEI》 . 冷たいほほ笑みを浮かべたまま、義仲はそれで?と尋ねた。 「お前、名前、何て言うの?」 将門は再び表情を引き締めて、毅然とした態度で答えた。 「汐見 将門…常世高校 2年です」 義仲はまた、ふぅん…と面白くなさそうな顔をして唸り、それからわたしの方を見た。 「名前は教えてやったの?」 突然、そう言われて、わたしは戸惑いながらも、うん…と頷く。 すると義仲は、 「行こう…」 と、呟くと、わたしの手を取り、将門と千影の横を通り抜けて、歩き出した。 ぐいぐいと、義仲に手を引っ張られながら、 ふたりを振り向くと、 千影は困り切った顔をしていて、 将門は呆然とわたしたちを見つめていた。 ****** 前へ |次へ |
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