《MUMEI》

.



「うぅ…」


リツが立ち上がる



二人は、
背を向けていて気付かない。



リツはいじけた表情で

頭上で環を書き続けている
フェニックスを見上げた




「…じゃあ、まずは」

「うん。鍵を探さなきゃ…」

「何か手掛かりは?」

「それが…無いんだ。」


ジンは腕を組んだ
「…そっか」

レスカが頭を下げる

「ごめんなさい」

ジンは辺りを見回す。
青々とした草

以外、見えない



「いやいや。どっちにしろ、人がいる処に行く必要があるし。
…でも、此所、何処だ?さっきフルアから見せられたけど、調べ…」

「テエム」

レスカが言って、ジンを見た。



二人の後ろで、リツはフェニックスを腕に止めて、

頭羽毛をわしゃわしゃと撫でて、嫌がられていた。





「ここはテエム…出会いの草原だよ」



レスカが初めて、



ジンに微笑んだ。

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