《MUMEI》

椎名から峰田、


峰田から千秋、


千秋から峰田、


峰田から椎名、


椎名からユキヒロへとボールが回る。


当然、


ここまでの展開で全員が1対1を仕掛けている。


(そう怒んなよ?
お前の相手は俺だけじゃね〜だろ。)


ユキヒロからパスを貰った日高。


ここでも同様に1対1を仕掛ける。


が、


突破はせずパス。










ふっ…











1対1を仕掛けた日高、


通常の流れであればここはユキヒロへパスを返すのが定石。


が、


日高は裏をかき、


絶妙のタイミングで走り込んで来たポスト関谷へパスを落とす。


(やられた…)











「ナイッシューッ!!」


ここで連取の流れを摘み取る。


5対3。






















「ふぅ…


なんとか上手くいったね。


日高にポストパスたたき込んだかいがあるってもんだよ。」


「何ですか!?」


「は?」


「ポストシュートで攻めんなら本職の俺でしょ!!」


「バカたれ。


左サイドからのポストパスを通した後、


うちで唯一のサウスポーの関谷が打つのが理想形なんだよ。


その為の練習いっぱいしたじゃん。」


「ぐっ…
納得いかね〜。」


「しなくてい〜よ。」


「クロさ〜ん!!」


(だぁ〜、
ウザイ…)

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